[バスケットボール]
2015年12月29日
スポーツは「良い子」を育てるか・・・
スポーツは「良い子」を育てるか(生活人新書/永井洋一著)
今回のブログ投稿は、この気になる書籍にクローズアップをし、コメントをさせて頂きます。
子供たちの成長を願うこと、どんな形であるべきであろうか。
スポーツ指導の側面から見ると、現在の日本のかなり深刻な状態をとららえているように思える。
現在の小学生を初めとした学生スポーツも過度な競争原理下に置かれ、そのあおりが子供たちに降りかかっているのが現状である。
それはやはり「育成」よりも「結果」を重視する現場(指導者)の論理があるからだろう。
また、そのプレッシャーを多くの父兄が指導者・子供にも見える形・見えない形で強いていることが良く試合会場などで見受けられる。
この本の主張点でもある「自分で考え、自分で行動する」ことは、勝利至上主義のチーム(指導者)には、なかなか理解しがたい内容であろう。
なぜならば、言ったとおりに動かないと苛立ち・憤りを感じ、勝敗に直結し、指導者自身の評価につながる自身のプライドと指導者・父兄のエゴにつながるからである・・・
子供にどのようにスポーツを教えていくか・・・
全生涯にわたってスポーツを感じるようにするか・・・
親が子供を駆り立てる今の風潮を、真剣に考え直していくことが重要であることを、次著「少年スポーツ、だめな指導者、バカな親」でさらに告発する筆者の考えにも、うなづかされる。
国連「子供の権利委員会」から2度にわたって「過度な競争について国としての改善勧告」を受けているこの日本の現状を、明快に浮き彫りにしている。
TVをはじめ多くのマスコミが競争原理容認に傾く中、こうした出版物のあることを大切にしたい。大人の意識が変われば、目の下に隈を作り、無気力と疲れにあえぐこどもたちの顔に、輝きが戻るのではないか・・・
当クラブでは上記のことをふまえ、子供にとってのスポーツの関わり方、バスケットボールという素晴らしいスポーツの関わり方を真剣に考えております。
繊細な子供にとって、一つ歯車が噛み合わない時、ひと言の指導者の言葉が突き刺さる時、何気ない応対の父兄の態度が重い精神的圧力を与える時・・・
一人でも多くのチーム関係者が、このようなことを真剣にとらえ・考えることを切に願いたい・・・